2008/08/30 日本経済新聞

NIKKEI PLUS1 ゆとリッチ 夢見るオフタイム
ドーム球場で草野球 気分はもうプロ野球選手!

「前日は興奮して眠れなかった。一夜だけだがプロ野球選手気分を味わえた」
東京の山中幸一さん(40)は、七月、念願だった東京ドームのグラウンドで野球をする夢をかなえた。草野球チームを結成して六年。山中さんにとって、プロ野球選手と同じ場所でプレーすることは、野球少年だった当時からの夢だった。

プロ野球が行われる野球場の多くは、試合やイベントがない時には、一般にも貸出している。例えば東京ドームの場合は、平日なら二時間三十六万七千五百円から。審判や場内アナウンス、電光スコアボードの使用などは別料金が必要だ。

もっとも、お金を払って試合をしてくれる相手を探すのは結構大変だ。さらに探してみると、その問題を解決する方法が見つかった。草野球ワン(大阪府枚方市)が主催する、全国五ヶ所のドーム球場と甲子園球場で催される草野球トーナメント「KUSA1(クサワン)」だ。

「上手下手に関係なく、ドームで野球をする感動をみんなで共有したい」(主宰者の吉崎賢博さん)と、八年前から始まった。出場資格は特に設けていない。チーム当たりの一ゲーム参加費用はおおよそ十万~十五万円程度。メンバー十人で出場した山中さんのチームは一人当り一万五千七百円を負担した。だが「金額には換算できない、貴重な体験ができた」と大満足。野球ファンなら、一度は経験してみたくなるのでは。

【表】ドーム球場で草野球の夢、かなえるなら…
KUSA1
トーナメント戦は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5ドームと甲子園球場で開催している
http://www.kusa1.com
問)090・8887・4856(吉崎)